2014年 10月 30日
カーミージー周辺の調査③
岸辺のそばの岩場には、びっしりとヘリトリアオリガイがついていて、
このあたりに分布する牧港石灰岩(粟石)が柔らかいので削り取られたくぼみの甌穴(おうけつ)の潮溜まりにはたくさんのゴマフニナが生活しており、
岸辺の岩場にはたくさんの小さな穴がたくさん開いていて、いろんな生きものが生活する集合住宅を作っています。
小さい穴が二つ並んでいるのは岩の中に穴を掘って生活する穿孔貝(せんこうがい)の吹管と吸管(スーパーで見かけるアサリやハマグリの吹管と吸管と同じ)で、大きい穴はカニのなかまの住み家で、小さいひとつの穴はエビの仲間の甲殻類の住み家で~す。
また、岩の表面には、黄色い渦巻のようなウミウシの仲間の卵が、たくさん産み付けられていました。
岩をめくるとたくさんの黒っぽいゴカイの仲間のような生き物にも出会いビックリ!
春の陽気の中に浮かぶどっしりしたカーミージーの姿も雄大でした。
さらに岸辺を歩くと、海面に沈むことの少ないオハグロガキや
クロフジツボの集団の姿が見られました。
カーミージーのそばでは、粟石の採石場の跡もみられますし、
自然の力が形作った浸食地形のノッチや
たくさんの甌穴群もみられます。
また、磯釣り場としても有名なカーミージーの岩場の頂上には国土地理院の三角点もあり、
カーミージー全体の海も見渡すこともできます。
そんな訳で岸辺を歩くだけで盛り沢山な内容の観察会が可能なことが分かりました。