2017年 02月 08日
女子大生との観察会
立命館大学の「教職沖縄研修」に来ている30人ほどのグループの中の「環境班」の2人からTELがあり、「カーミージーの海を案内してほしい!」とのことでした。
「今は夜の潮加減がいいが、昼は水位があって観察会には向いていない」ことを説明しましたが、「あと数日しか沖縄にいないのでなんとかならないか?」ととても熱心に懇願され、それなら海に入らなくても学習して楽しめる方法があるので、ガイドを引き受けることにしました。
3人でカーミージーの海岸にでると、まず目につくのが、岩場にたくさん群れ集まっている巻貝のゴマフニナで、潮が引くと乾燥を防ぐために群れ集まるが、
潮が満ちているとそれぞれがバラバラになって岩の表面に着いた海藻類の食事をすることを紹介するとビックリしていました。
次に出合ったのは、イトマキボラの幼貝を住み家にした大きなコモンヤドカリで、
こんな大きなヤドカリに出合ったのは初めてのようで、
二人が交互に恐々つまんではキッキャ、キッキャと楽しんでいました。
海をのぞき込んで大阪などの海と違ってとてもきれいなのはなぜか?と問いを投げかけていると、
ちょうど宝貝のキイロダカラのペアがいて、この貝の模様が「貝」の漢字の語源になり、この貝が中国に持ち込まれてお金として使われた歴史から、お金にまつわる漢字には「財」「買う」「貯」というふうに「貝」という字が使われていることを説明するとまたもやビックリ!
また、この貝がいた岩場に「豚の鼻の穴」のような二つの穴がたくさん見られるのは、この穴の下に二枚貝が棲み込んでいて、二つの穴は吸管と吹管にあたり、呼吸とともにプランクトンなどを取り込んで食事をして、そのことが結果的にきれいな海をつくっていることを紹介しました。
この海岸の岩場にごまんと住む二枚貝が沖縄のきれいな海を作っているが、大阪の海にはこのような浄化能力がないことが問題だと説明しました。
さらに、海の中に入ると海藻や海草、ナマコやヒトデの仲間、貝やカニの仲間、ゴカイの仲間などがみんなで沖縄のきれいな海を作っているこが分かりますよ、とお話ししました。
続いて、海岸を歩くとたくさんの岩がごろごろしているのを起してみていろんな生きものが棲んでいることを観察しました。
最初は原始的な貝で8枚の堅い板で覆われた膝のようなヒザラガイとたくさんの巻貝のアマオブネが現れ、
次は二枚貝のカキときれいな色のニシキアマオブネ、
ベニツケガニの赤ちゃんや巻貝のノシガイ、
サザエの仲間でおいしいというカンギクと毒針を持つマダライモなど出会い、観察させてもらった後は、元通りに戻しておくことも環境保全の上でも大切なことを学んでもらいました。
カーミージーの岩場が見えるところで引き返しましたが、
ここにも海をきれいにするたくさんの二枚貝のヘリトリアオリガイがいてビックリし、最後にクモヒトデにも出会えました。
昼食を隠れ家喫茶「清ちゃん」でとり、質問に答えて無事にて観察会を終わることができました。
ご苦労様でした。