2017年 08月 08日
新コースの下見
4日間は工事現場のご厚意で工事を中断して観察会のために現場を通行させてもらえることになり感謝しているところですが、8月20日と9月18日、10月7日や11月と12月の夜間の観察会は工事現場を通行できないため、カーミージーの岩場の方の新コースを設定するための下見にAさんと出かけました。
今までにない観察ポイントは大正時代から石材を切り出した「石切り場跡」が2か所みられることです。
柔らかい粟石(あわいし)という12万年前の琉球石灰岩を干潮時に切り出し、満潮時に船に乗せて運びだした歴史・文化遺産です。
柔らかい石なので自然の力でも回転する石で削られた甌穴(おうけつ)や
台風時などの嵐の波で削られてできたノッチと呼ばれる「浸食地形」がみられることが特徴です。
また、下見をするとここもたくさんの湧水が湧いていることが確認できました。
さらに岩場を歩いてみるとタカラガイがたくさん見つかり驚いていると、
たったの10分程で8種類も見つかりビックリ!
白いものが目立つので近づいてみると高水温のためソフトコーラルが白化していました。
カメが伏せたように見えるカーミージーの方に出ると
オハグロガキや
クロフジツボがびっしり張り付いている岩場がありました。
足元の岩場に目をやるとやたらと赤い目をしたケブカガニがたくさん目に入り、
お腹を見ると黒い卵を抱いたメスが多いのにもビックリ!
岩をめくってみるとアマオブネがたくさんの白い卵の袋(卵のう)を産み付け、
カニの赤ちゃんや
灰色の体に黒点のあるコクテンフグの赤ちゃん、
ナガウニなどがたくさん見られました。
いつもの観察会の最後に「危険な場所!」ですよと紹介している場所を実際に歩いてみると水流で足がすくわれそうになることも体験し、
たくさんのサンゴが白化しているのにもビックリでした。
最後に、岩にたくさん張り付いたヘリトリアオリガイの集団と
ゴマフニナの集団もみられました。
今までの観察ルートのようなトゲアナエビやソデカラッパのような二大スターはいないものの観察会が可能と判断し、足元が悪いので11月12月の夜間の観察会は残念ながら中止せざるを得ない!という結論に達しました。