2017年 02月 10日
アーサー摘みの下見
2月11日に中央公民館行事のアーサー摘みと12日に「遊び隊」のアーサー摘みがあるのでAさんと下見に出かけました。
日本全国が今シーズン最強の大寒波に覆われ、沖縄でも強風波浪警報が出ていて海は台風並みの大荒れでした。
この状態で海に入って濡れて1時間もアーサー摘みをすれば確実に風邪を引いてしまいそうなので、海に入らずに岸辺のアーサーを摘むことに決めました。
岸辺のアーサーを見て回ると幸いにたくさん付いて、それも4cmほどにも伸びていて助かりました。
念のため沖の岩場のアーサー摘み予定地を訪ねてみると同じようにアーサーは付いていますが、ここにたどり着くまでに腰下まで濡れてしまいそうでしたので、先に岸辺のアーサー摘みに決めたことは大正解でした。
外海からは5~6mの大波が打ち寄せていますし、イノーの水面も波立っていてかろうじてナマコがいることくらいしか分かりませんでした。
イソギンチャクに棲むカクレクマノミを覗いてみると元気にしてくれていて、ほっとしました。
岸辺に戻ってくると冬の日本海の強風時に見られる「浪の花」が出来ていてビックリ!
30分ほどの下見の間に奥さんが海岸清掃を済ませ、アーサー摘みにチャレンジしたようで、一食分のアーサーは確保できることも分かりました。
これでひと安心の下見が無事終わり、「隠れ家喫茶清ちゃん」でおそ昼を取り、冷えた体を温めました。
2017年 02月 08日
女子大生との観察会
立命館大学の「教職沖縄研修」に来ている30人ほどのグループの中の「環境班」の2人からTELがあり、「カーミージーの海を案内してほしい!」とのことでした。
「今は夜の潮加減がいいが、昼は水位があって観察会には向いていない」ことを説明しましたが、「あと数日しか沖縄にいないのでなんとかならないか?」ととても熱心に懇願され、それなら海に入らなくても学習して楽しめる方法があるので、ガイドを引き受けることにしました。
3人でカーミージーの海岸にでると、まず目につくのが、岩場にたくさん群れ集まっている巻貝のゴマフニナで、潮が引くと乾燥を防ぐために群れ集まるが、
潮が満ちているとそれぞれがバラバラになって岩の表面に着いた海藻類の食事をすることを紹介するとビックリしていました。
次に出合ったのは、イトマキボラの幼貝を住み家にした大きなコモンヤドカリで、
こんな大きなヤドカリに出合ったのは初めてのようで、
二人が交互に恐々つまんではキッキャ、キッキャと楽しんでいました。
海をのぞき込んで大阪などの海と違ってとてもきれいなのはなぜか?と問いを投げかけていると、
ちょうど宝貝のキイロダカラのペアがいて、この貝の模様が「貝」の漢字の語源になり、この貝が中国に持ち込まれてお金として使われた歴史から、お金にまつわる漢字には「財」「買う」「貯」というふうに「貝」という字が使われていることを説明するとまたもやビックリ!
また、この貝がいた岩場に「豚の鼻の穴」のような二つの穴がたくさん見られるのは、この穴の下に二枚貝が棲み込んでいて、二つの穴は吸管と吹管にあたり、呼吸とともにプランクトンなどを取り込んで食事をして、そのことが結果的にきれいな海をつくっていることを紹介しました。
この海岸の岩場にごまんと住む二枚貝が沖縄のきれいな海を作っているが、大阪の海にはこのような浄化能力がないことが問題だと説明しました。
さらに、海の中に入ると海藻や海草、ナマコやヒトデの仲間、貝やカニの仲間、ゴカイの仲間などがみんなで沖縄のきれいな海を作っているこが分かりますよ、とお話ししました。
続いて、海岸を歩くとたくさんの岩がごろごろしているのを起してみていろんな生きものが棲んでいることを観察しました。
最初は原始的な貝で8枚の堅い板で覆われた膝のようなヒザラガイとたくさんの巻貝のアマオブネが現れ、
次は二枚貝のカキときれいな色のニシキアマオブネ、
ベニツケガニの赤ちゃんや巻貝のノシガイ、
サザエの仲間でおいしいというカンギクと毒針を持つマダライモなど出会い、観察させてもらった後は、元通りに戻しておくことも環境保全の上でも大切なことを学んでもらいました。
カーミージーの岩場が見えるところで引き返しましたが、
ここにも海をきれいにするたくさんの二枚貝のヘリトリアオリガイがいてビックリし、最後にクモヒトデにも出会えました。
昼食を隠れ家喫茶「清ちゃん」でとり、質問に答えて無事にて観察会を終わることができました。
ご苦労様でした。
2017年 02月 01日
カメの貴重な死骸
5~6年前にも一匹の死骸が漂着していたことがあり、骨格標本にしたくて後日砂にうずめに行こうとしましたが、一足先に市役所の環境衛生課に死骸処理の連絡をした人がいて、貴重なカメの死骸を無くしてしまった経験がありました。
今回は貴重なチャンスを無駄にしたくはないので、結構きつい腐敗臭がするものを秘密の場所にこっそり移動しておきました。
半年もすれば肉も腐って分解され、きれいな骨格がゲットできるものと楽しみにしています。
タイマイと言えば、長崎名産の高価な「べっ甲」細工の原材料で、以前は乱獲されてしまい、絶滅寸前になってしまったそうです。
その後保護策が採られて、慶良間諸島のダイビングでもよく出会うようになっていました。
一生懸命にサンゴのかけらをかじって食事している時は50cmほどに近づいて写真を撮ることもできました。
そんなことを思い出しながら、半年後を楽しみにしていま~す。
2017年 01月 31日
カーミージーにかかる虹
風の強い日には、ヨットのような帆を持ったクラゲの仲間の「カツオノカンムリ」や
毒性の強いカツオノエボシが打ち上げられていることもあり、
鳴門の渦巻きのような黄色いゼリー状の卵を産み付けたカサガイに出会ったり、
ミサゴが水中ダイブを試みて、
魚をわしづかみにするシーンにも何度も出会うことがあり、毎日出かけても飽きることがありません。
昨日出かけてみると10年通って初めてカーミージーにかかる虹を見ることができました。
最初のころは二重に見えることもあり、
釣りをしている人の頭から虹が沸き立っているかのように見えることもありました。
幸せそうなカップルが無心にカメラで虹を撮るシーンにも出会い、とても幸せな気分になれたひと時でした。
2017年 01月 28日
泡瀬のウミホタルの観察会
カーミージーの海では最近あまり夜光虫やウミホタルの観察ができないので、泡瀬のようすを見に出かけてみました。
夜の10時過ぎに60人以上が集まりましたので、3班に分かれ、私も急遽スタッフの一員になり、16名のガイドを担当することになりました。
潮が引いた干潟に出ると、小さな岩がごろごろしており、そのうちの一つを拾い上げると表面には小さいフジツボが一杯くっ付いており、裏側にはたくさんの巻貝がくっ付いていました。
「小さい岩だけど生きものが一杯住んでいるマンションだ!」と紹介すると、巻貝の一つが「おいしいカンギクだ!」ということを知っている少年がいて、みなさんの拍手が沸き起こりました。
砂地にたくさんの「富士山のような砂山」があるのは、みんなゴカイの仲間のウンコの山で、食事で砂の中の養分や汚れを取った後のきれいな砂をウンコとして出し、きれいな海を作っていることを説明しました。
岩に穴を掘って住み込んだ二枚貝や泥を食べてきれいなうんこをするイソアワモチに出合い、これらの生きもののお蔭できれいな海が保たれることや肉食の貝が、卵と砂粒と粘液とを混ぜ合わせ、芸術的な「砂茶わん」をつくることなどを紹介していくと、みなさん身近にある海の不思議さに触れることができたようで、とても楽しんでもらえました。
黄色いタカラガイの「キイロダカラ」を見つけて、昔はお金として使われていたので、「貯金」「買う」「財産」などお金にかかわる字に「貝」の文字が入っているということを説明して元の岩にのせると、ちょうどこの「キイロダカラ」が産卵をしたところで、みなさん興奮気味に写真を撮り記録に残していました。
お目当てのウミホタルと夜光虫はみんなで一斉に懐中電灯を消し、足元の藻類と水を足でかき混ぜると楽しむことができました。短時間にピカピカ光るのが夜光虫で長い時間かけてボォ~~ッと光るのがウミホタルだという不思議の世界を体験することができました。
他に、タコが巣穴に隠れているものを二匹見つけ、巣穴の周りに食べたカニの殻や貝殻をほったらかしにしているものも観察することができました。
あっという間に2時間がすぎてしまい、「楽しかった!」と言いつつ観察会を終えてウミエラ館に戻りました。
みなさんお疲れさまでした。